'15読書日記14冊目 『言論・出版の自由 他一編』原田純

言論・出版の自由―アレオパジティカ 他一篇 (岩波文庫)

言論・出版の自由―アレオパジティカ 他一篇 (岩波文庫)

言論・出版の自由を擁護したことで名高い「アレオパジティカ」と「自由共和国建設論」を所収。これらが書かれた時代はイングランド史の中でもとりわけややこしい時代、つまりピューリタン革命からクロムウェルの死亡直後あたりで、本書の2論文もそうした時事的な要素が濃く、イングランド史に通じている人でなければなかなか理解がおよびにくいところもある。しかし、訳者の解説と詳細な注があるため、その困難もかなり緩和される。とりわけ訳者解説で描かれるミルトンと当時の政治状況の叙述は、有益であるとともになにかワクワクさせるところがある。