2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

07読書日記29冊目 「リア王」W・シェイクスピア

お前達のうち、誰が一番この父のことを思うておるか、それが知りたい・・・リア王 (新潮文庫)作者: ウィリアムシェイクスピア,William Shakespeare,福田恆存出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1967/11/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 23回この商品を含む…

07読書日記28冊目 「予告された殺人の記録」G・ガルシア=マルケス

この、割と衝撃的なタイトルは、あの「百年の孤独」で南米の町「マコンド」における神話的世界を克明に記録し、百年にわたるブエンディアーノ家の歴史を書ききった作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスの作品。 予告された殺人の記録 (新潮文庫)作者: G.ガ…

07読書日記27冊目 「飛ぶ教室」エーリッヒ・ケストナー

児童文学です。ドイツ人の作家なのに、ユカイな文章を書きます、と完全に偏見の目でドイツ人を見てますが、マンにしたって、カフカにしたって、厳しいじゃないの。 児童文学なんで、好きなフレーズを一遍 「かしこさをともなわない勇気はらんぼうであり、勇…

07読書日記26冊目 「李陵・山月記」中島敦

多くの人は高校時代、「山月記」を教科書で読んで以来、中島敦の作品を読む機会を自ら放棄しているのではないか。難解で格調高い漢文調の文体がその回避を生む原因の大きな部分を占めているのかもしれない。 李陵・山月記 (新潮文庫)作者: 中島敦出版社/メー…

07読書日記25冊目 「沈黙」遠藤周作

島原の乱鎮圧後の日本に、隠れキリシタンとして信仰を続ける日本人のために、信仰の復興を掲げて密航した一人のポルトガル人宣教師の話。 沈黙 (新潮文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/10/19メディア: 文庫購入: 26人 クリック: 337回…

07読書日記24冊目 「ニッポニアニッポン」阿部和重

17歳の引きこもり少年、鴇谷春夫は、自らの名前に「鴇」(トキ)の字があることから、トキに愛着を感じるようになる。その愛着は、やがて、国家へ向けられた憎悪へと変わり、木本桜に対する愛情の反発と共に、トキを抹殺してしまおうとする、一大英雄になろ…

07読書日記23冊目 「無知」ミラン・クンデラ

――背後に残してきた時間が広大になればなるほど、私達を帰還に誘う声は抗しがたいものになる。そのような所見は自明の様に見えるけれども、嘘だ。人間は老い、終焉が近づいてくる。すると各瞬間がだんだん大切になり、思い出などにかかずらって失う時間がな…