07読書日記24冊目 「ニッポニアニッポン」阿部和重
17歳の引きこもり少年、鴇谷春夫は、自らの名前に「鴇」(トキ)の字があることから、トキに愛着を感じるようになる。その愛着は、やがて、国家へ向けられた憎悪へと変わり、木本桜に対する愛情の反発と共に、トキを抹殺してしまおうとする、一大英雄になろうとするのだが・・・
政治的冒険作!!
- 作者: 阿部和重
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 文庫
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ではありません笑
最初は、春夫も政治犯=英雄の構図を目指し、それによって人生からの大逆転をもくろんでいたはずですが、その計画は見事に失敗し、とありうべきストーリーに終わる、いわば喜劇です。大変面白く読みました。主人公が引きこもり・ストーカー・ナルシストなのに特に意味はないでしょう。あくまで、それもコントの一要素として描かれただけに過ぎないと思います。では、阿部和重は何が言いたかったのか。話全体を言いたかったのです。きっと。この面白い話を。小道具が子気味よく効いていて、読みやすかったです。純文学であり、ここまで面白いのは久々です。面白いと言ってもinterestingではなくてfunのほう!
p362
総計7320p