07読書日記29冊目 「リア王」W・シェイクスピア
お前達のうち、誰が一番この父のことを思うておるか、それが知りたい・・・
- 作者: ウィリアムシェイクスピア,William Shakespeare,福田恆存
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1967/11/28
- メディア: 文庫
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実際にはこの新訳版ではなくて新潮文庫から出てる福田恆存訳で読みました。四大悲劇のうちの一つです。初シェイクスピア体験だったんですが、ものごっついね。いやはや。これは参ってしまいました。
ナラティブの求心力はもちろんのこと、道化の台詞に象徴されるウィット、単なる悲劇を緩和するコミック・レリーフのためだけの軽口なのではなくて、それがあることでなおさら悲劇が激化し、本質化するというような劇的な台詞回し。
人類の根源に潜む救いようのない悪と、それを救おうともしない神の御意、すべてを失った老王リアの悲劇が、重層的な場面転換と共に語られる畢生の傑作でしょう。まだまだ読み返してみたい、そしていつまでも読み返す価値の有る作品だと思う。この本を友達から借りたので、今度は自分で買わねばいけない。ああ、そしてもっとシェイクスピアを読みたくなってくるのだから!
The weight of this sad time we must obey;
Speak what we feel, not what we ought to say.
The oldest hath borne most: we that are young
Shall never see so much, nor live so long.
[?-3]
208p
総計8474p