夏休み読書マラソン 1冊目 コールドゲーム 荻原浩


久々に一晩で一冊を読みきるという暴挙にでてしまいました。


コールドゲーム」 荻原浩 ★★★★☆(4/5)

コールドゲーム (新潮文庫)

コールドゲーム (新潮文庫)


高3の夏、陰惨な復讐劇が幕を開ける。それは昔、中2時代にいじめられていた廣吉の仕業だった。中2時代のクラスメートが一人、また一人と襲われていく。犯行予告と、綿密に仕組まれた犯行。過去を清算するために暗躍する廣吉。野球部を引退し、進路に悩む光也は幼馴染の亮太と共に「北中防衛隊」を造り、廣吉を捕まえようとする。いじめる側・いじめられる側・いじめを傍観する側・三者の視線が4年間のときを経て交錯し、思いもかけない驚愕の結末をうむ。

ブレの無い文体。精度の高い伏線。巧みな心理描写。怖さと切なさを等分したミステリに、学園青春物がブレンドされて完成度は非常に高い。

作者は「明日の記憶」が映画化され、意欲的に作品を発表し続ける荻原浩。この人の作品は初めてだったが、簡潔な文章と後半になるとスピードを増す疾走感がたまらない。最後に大団円を迎え、一筋の解決が見出されようとしているのも、また、上手い。


480p

総計 480p