09読書日記81冊目 『社会契約論』ルソー

社会契約論 (岩波文庫)

社会契約論 (岩波文庫)

ルソーを読むのははじめてだが、文章が面白くて読むのにひきつけられる。一般意志と言う言葉も、僕としてはハーバーマスアレント経由のバイアスがかかってしまっているので、どうしても、感動は少なくなるのではあるが、面白い発想だと思う。いやはや、ロックにしても、ルソーにしても、古典と呼ばれる人たちは退屈さを乗り越えてよく練られた議論をしていると思う。

思想史的意義については、岩波版の解説が簡潔で分かりやすい。
マルクスヘーゲルから弁証法を学んで、しかもそれをくつがえして唯物弁証法としたのと同じく、ルソーはホッブズの主権論をくつがえして人民主権論に転化させたのである。ホッブズの理論はルソーに受け継がれることによって、革命的な民主主義の理論として再生した。これこそルソーの天才的な着想であったといわなければならない。」

236p
総計27896p