'10読書日記39冊目 『フーコー・コレクション2』ミシェル・フーコー

457p
総計11511p

レーモン・ルーセルブランショマラルメなどなど、フランス文学を知らないものとしては相当に理解に厳しい一冊だった。十全な理解よりも、とりあえずフーコーの文章を楽しむこと、これを心がけて読み進めれば、フーコーという書き手は極めて疾走感をもって読者を読ませるのでもある。

興味深かったのは以下の論文
「侵犯への序言」
「言語の無限反復」
「物語の背後にあるもの」
「外の思考」
「作者とは何か」

とりわけ「作者とは何か」は非常に重要でありながら、一番理解しやすく書かれている。講演のスクリプトだということもあろう。文学的な修辞が省かれて、彼のスタイルが語られる。他に面白かったのはジュール・ヴェルヌ論である「物語の背後にあるもの」。
「外の思考」はかなり難しく、エクリチュールという概念自体も僕にとってはなじみが薄く、苦しかった。