08読書日記12冊目 「デカルト入門」小林道夫
- 作者: 小林道夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 新書
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入門って書いてあるけど、むっちゃ読みにくい笑
一回生のときの授業(多分「西欧近代哲学概論」?)のテキストであったこの本。本棚に眠っていたのを「風呂本」にした。お風呂につかりながら読んだので、難しい箇所は何度も睡魔に襲われて、何度も本自体を水没させたりもした・・・
少々の疑問
デカルト自身、哲学のあり方を「真実らしくあるものはほとんど偽とみなした」とあり、「明証判明」でないところのものを考察に入れ続けたのであるが、彼の「高邁の心」が対象とする「よい」とは一体何を指すのかについて、考察は加えられていないように思う。それはキリスト教道徳的な価値観なのか。やはりそこまで疑いえたのはニーチェをおいて他は無いのか。
それとも、根本的に善悪の区別が違っているのかもしれない。ニーチェや我々は善悪を後天的なものだと捉えている。しかし、デカルトはそれを先天的なものであり(bon sensはすべての人々に等しく配分されている)、生きていく途上で欲望やなにやらによってその「良識」に曇りや霞がかかっていくのであるが、それを「理性」によって取り除いていくことこそ、「高邁の心」だと説くのである。
最後に、”もっちー”との議論(になっていない)話だが、デカルトの有名な言葉、Cogito, ergo sumは、裏返せば存在するためには考えないといけない、ということであり、考えるのをやめれば「私」は存在しなくなる、ということなのである。
219p
総計3302p