08読書日記97冊目 「空の怪物アグイー」大江健三郎

空の怪物アグイー (新潮文庫)

空の怪物アグイー (新潮文庫)

風呂の中で読んだ。大江の初期の短編は、非常にシニカルで諧謔で、ブラック・ユーモアに富んでいる。長編においては、力が入って濃密、という印象であるが、彼の短編小説はハードボイルドで小気味いい。自分の責務から逃れる内面の声、「自分自身の内部の旅のいざないの声、あるいは逃亡勧告」にたいして、否!と答えることを、彼は訴える。

298p
総計28489p