09読書日記10冊目 『自由主義に先立つ自由』クエンティン・スキナー
- 作者: クェンティンスキナー,Quentin Skinner,梅津順一
- 出版社/メーカー: 聖学院大学出版会
- 発売日: 2001/11/30
- メディア: 単行本
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ポーコックと彼の「共和主義的パラダイム」の理解は比較的顕著に異なっていると感じた。というのは、スキナーの場合、シヴィック・ヒューマニズムパラダイムで(彼の言葉で言えばネオ・ローマ的パラダイムで)語りながら、消極的自由にも言及しているのである。いわば、消極的自由と積極的自由の循環的止揚を目指していると言えよう。積極的自由の発露の場として「自由国家」があり、「自由国家」の内で個人の自由が満たされるということである。思想史から何を学ぶのか、ということであるが、彼が言わんとするように、ただ歴史のキャノンを現代風に理解するのではなく、その歴史のパラダイムからありえた選択について思考すること、これである。
181p
総計3236p