09読書日記18冊目 『嗤う日本の「ナショナリズム」』北田暁大

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

いわゆるゼロ年代の批評家・社会学者による、戦後日本(ポストモダン期)独特の「アイロニズム」の系譜学研究。

筆者が直面している困難性、すなわち「ロマン主義アイロニー」を脱しつつ、したり顔で「正義」を他者へ押し付けるようなイデオローグを回避しながらも、自らの思想に準拠するような形で行為を正当化することのできる社会的連帯の可能性は、まさしく超越的思想が撤退し、消費主義、マス・メディア、ネット空間によって覆い尽くされたポストモダンの困難性にほかならない。

ただ、僕自身も、宮台のロマン主義アイロニーの実践、大いなる意味の追求による意味の無意味化には賛成できない気分なのである。

大澤さんの議論を持ち出してくるらへんが、大雑把でわかりにくい。

269p
総計6642p