2009年に読んだ本たち

2009年は、96冊の本を読んだ。卒論を書いていたせいで、インプットにあまり時間をさくことができませんでした(ハーバーマスアレントの既読書を再(再々)読するということはあったが)。2009年の新刊書で読んだのは、ほんの僅かしかないと思う(5冊しかなかった!)。
まず小説は30冊しか読んでません。読みたい本は出ているのに、うむぅ。
とりあえずベスト5をあげるなら

1.フョードル・ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟
2.ミラン・クンデラ『冗談』
3.大江健三郎『水死』
4.阿部和重シンセミア
5.フランツ・カフカ『審判』

もはや1・5は誰でも知っていて今までに読んでないとしたらマジFUCKな感じではあるので、多言を要しません。ここ数年大好きなのは、2のクンデラ。手に入りやすいものは『存在の耐えられない軽さ』です。ぜひ、元旦から読み始めておせち料理食ってる自分の体重に耐えられなくなってください。
そして、同時代の日本の小説家でもっとも信頼できるのは4の阿部和重です。シンセミアは文庫で4巻なのでとっつきにくいですが、例えば彼の群像新人賞受賞作『アメリカの夜』は薄いし、しかも彼の中でベストの一つなので、ぜひどうぞ。
3の大江は、僕の周りで読んでいる人を知りませんが、もはやアナーキーな小説しか書きません。大江健三郎古井由吉で日本はもってるみたいなところがあります。『水死』は読みやすいので、ぜひ。



思想・評論は、それなりにたくさん読みましたが、マニアックな研究書も相当多いです。特に影響を受けた本を選ぶなら

1.ハンナ・アレント全体主義の起源
2.大澤真幸『〈自由〉の条件』
3.斉藤純一『公共性』
4.J.G.A.ポーコック『マキャヴェリアン・モーメント』
5.Michael Sandel “Democracy’s Discontent”

バリバリすぎてちょっと引きますが、1,4,5は政治思想の面白さを存分に発揮した本だと思います。卒論でもいっぱい参照しました(特に4)。3は、僕が日ごろよく口に出している「公共性」ってなんやねんぼけー、という人は読むと良いです。非常にコンパクトかつ丁寧な概説書。あとは、稲葉振一郎 『「公共性」論』などもすごく影響されました(結論は嫌いですが)。
2は、ほんまにいろいろあったなー、と感慨を込めて。
あとは、蓮實重彦『反=日本語論』とか、岩井克人貨幣論』、森政稔『変貌する民主主義』、リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』、シャンタル・ムフ『政治的なるものの再興』なども面白いかもしれません。

総計 32799ページなのでした。

お疲れ様でした。
来年は、いっそ、サイードとかソンタグを読みたいです。レヴィストロースも!
あー、池澤夏樹編集の世界文学全集も読みたいな。。大学院ってなに?