'10読書日記15冊目 『ルポ貧困大国アメリカⅡ』堤未果
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 新書
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総計3717p
『ルポ貧困大国アメリカ』の続編。今回はオバマ以降のアメリカ――貧困大国――の状況をまざまざと描き出している。恐ろしい。風呂で読みながら何度も、恐ろしさに気を失いかけた(嘘です、のぼせただけです)。
ネオ・リベおそろしー!というより、ネオ・コーポラティズムが恐ろしすぎる。公教育・社会保障・医療保障を民間業者にゆだねる、ことが問題なのではないだろう。おそらくそれらが癒着していることが問題なのだ。アメリカは従来から小さな政府を謳っているが、実際には、小さな政府+大資本=長巨大国家なのである。「小さな政府」というアド・バルーンを高く高く打ち上げていながら、実体は超巨大資本が制圧しているとしか言いようがない状況なのだろう。中でも、最終章の刑務所を民営化することがもたらす弊害は、すさまじい。オバマが悪いのではなく、リベラル市民がオバマを見抜けなかったこと、オバマに取り入れられてしまったことが問題なのだ、と筆者は言う。
とにかく、必読の書だと思う。
前著「ルポ貧困大国アメリカ」
http://d.hatena.ne.jp/ima-inat/20080429/1209451442