'10読書日記17冊目 『イェルサレムのアイヒマン』ハンナ・アレント
- 作者: ハンナ・アーレント,大久保和郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1969/09/21
- メディア: 単行本
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総計4258p
まず、banalityを「陳腐さ」と訳していいのだろうか、ということを思う。凡庸さ、とか、平凡さとかのほうがいいような気もする。ODEによればbanal:so lacking in originality as to be obvious and boringとある。
アレントの語り口が、かなり皮肉めいていて、そりゃ当時のユダヤ人らが大激怒するのも想像に難くない。しかし、アイヒマンのクリチェは、クンデラのキッチュに通じるものがあると思ったし、アレントの語り口はクンデラの小説を想起させもした。そしてなによりカフカ的だとも思ったのである。