'10読書日記18冊目 『デリダ――脱構築』高橋哲哉

デリダ (「現代思想の冒険者たち」Select)

デリダ (「現代思想の冒険者たち」Select)

330p
総計4588p
デリダもいい加減ちょっと触れましょうということで、薦めてもらった本。高橋さんの靖国論などには全然面白みを感じなかったのだけれど、この本で扱われるデリダは非常に興味深い。特に第二章・第三章が白眉だろう。実際にプラトンのテクストと、デリダの読解を並行して行い、脱構築や原エクリチュールパルマコンといった概念を説明する。第四章・第五章は、にわかに政治的・法学的な話しになって行き、責任や正義について語るのであるが、決定不可能なものを決定することと、決断主義の違い(前者は他者に誘引されてなすもの、後者は主体的・能動的なもの)を説明されても、「決定不可能なものを決定する」とはいかなるものぞや、という問いが残った。とりあえず、『法の力』読もうかな。