'10読書日記66冊目 『自己への配慮』フーコー

自己への配慮 (性の歴史)

自己への配慮 (性の歴史)

性の歴史シリーズ。『快楽の活用』が古代ギリシア期を扱ったものであるのに対して、本書はそれ以後、キリスト教以前の古代ローマ期の《倫理》を扱ったものだと言える。第二章「自己の陶冶」はアレントやポーコックらが共和主義の源泉と見出す時期を扱っていて、両者を比べてみても面白いかも知れない。しかし、やはり、フーコーが系譜学によって提示した《倫理》を、近代権力の招来する「袋小路」からの脱出として、つまりフーコー自身の《倫理》として見ていいのかは、やっぱり微妙やと思う。宿題。
319p
総計20542p