最近すごいと思ったポップソングども

スマイレージっていうハロプロ系のアイドルの「夢見る15歳」っていうのです。
Cメロの「実際恋するだけなら誰でもできる」の最後のファルセットの感じは、あからさまにポップスの文法度外視でおもろいなーと。サビ前の3拍もお決まりでいいよねー。

youtube見れる人は、見て欲しいのですが、サビの良くわからん股パカパカダンスは、(僕の友人のアイドルオタクによれば)ハロプロの伝統芸らしいんですね。相当おもろいんやけど、多分やってて楽しいはず。14-15歳らしいんですが、僕は一番左の女の子が好きでふ! 七つの海のティコ(チンコじゃないお!おっおっ!)みたいな女の子が好き!

さらに何の脈絡もなく、関連動画みておったら、チャゲアスの「YAH YAH YAH」が相当かっこいいことに、いまさらながら(18年越しに)気付きました。割に複雑な構成のある歌やのにダブルミリオンらしい。というより、何しか、歌詞がかっこいい。

必ず手に入れたいものは 誰にも知られたくない

歌詞だけばっと一気に見たら凄さわかんないかもしらんけど、僕は何気にyah yah yahを流して作業してたら、度肝を抜かれましたね。「必ず手に入れたいものは」 のあとに普通、「手に入れたいもの」の内容が来るとおもうじゃないですか。ところが、そのあとに「誰にも知られたくない」と続くのです! これはすごい。「手に入れたいもの」の内容を言うのではなく、その内容の現前化は回避されるのです。もう少し言えば、「手に入れたい」と「知られたくない」と二つのwant toを重ねることで、揺るぎない意志が表現されている。しかし、「手に入れたいもの」は明らかにさ れ な い!
もちろん、以上のことゆえに、この曲を「中二病的全能感」がありありと表れていると、皮肉ることもできるでしょう。「手に入れたいもの」の内容は、とりあえず分からないけれど、とにかくなんか「誰にも知られたくない」くらい大事なモノがあるはずだ、というわけです。有り余り空回りする(/しかける)エネルギーという奴でしょうか(だいたいYAH YAH YAHというサビがそのものです)。
しかし、そういう些細なことはどうでもよろしい。というか、むしろ僕はこういう有り余り空回りする全能感が好きなのだっ!
とにかく、このライン一行は、ポップソングの最大の利点を生かしたスゴ技やと思います。ポップソングが、(紙に書かれた)詩と違うところは、一つには、前者では時の流れが言葉を支配している、ということにあると思うんですね。確かに、文字に書かれた詩にも、視線や思考の流れがあるけれども、ポップソングは音楽という絶対的な時間の支配する上に言葉が紡がれていきます。それだけではない。音楽自体のメロディラインは、それだけで何かイメージを喚起するところがある。それゆえに、詩的でない言葉でさえ、陳腐な言葉(「会いたい」「愛してる」「ひとりじゃない」)でさえ、少なくとも普通に発せられるよりは、力を持つことになります。そうであれば、いわんや、詩的でありえる言葉が、適切なテンポ(時間)とメロディラインに乗って伝えられたときには、威力は計り知れないことになる。に、決まっている!
他にも、

勇気だ愛だと騒ぎ立てずに その気になればいい

こんなのも素晴らしいですね。
こういうのもあります。

夜明けだ朝だと騒ぎ立てずに その気になればいい

しかし、「その気」が、何の気なのかは、まったく良くわからんのです! が、その気になればいいのだ!!
YAH YAH YAHの良いところは第一連に凝縮されていて、あとはだんだん陳腐になっていくんですが・・・ まあ、とにかく驚いてしまいました。こんなにチャゲアスの歌詞が(良い意味で)いきってるとは思わんかった。
その流れで「SAY YES」とか聞きなおしてみたら、よくできたラブソング以上のものではなかったわけですが、しかし、これも歌詞に注目してみたい。

余計なものなどないよね

小林聡美が食パンを触りながら言いそうな言葉から始まりますね。この次が、むしろ驚かされる。歌全体としては陳腐で甘ったるいラブソングなんですが、次で、次の言葉ひとつで、それらが全部救われるんです。

すべてが君と僕との愛の構えさ

!!
「愛の構え」!! このあふれんばかりの異化作用! 「構え」といえば、武道とかの型のことだったり、「心構え」という風に使われるけれど、ここでは「愛の構え」なのです。愛には構えがなくてはいけない、のです・・・!!
という風にJ-POPに一喜一憂しながら僕は元気に生きてますお父さんお母さん