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ひびのこと

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誕生日。誕生日にドイツへ出発。これから6ヶ月間留学する。誕生日の前日、相方と喧嘩してしまい、というか誕生日を忘れられていて、それでもめて、もうやっぱり無理やわ、などと言われてしまい、云々かんぬん、今も連絡が取れない。というようなことがあったりもして、全く憂鬱な気分のまま、朝９時の飛行機でドイツへ飛んだのだった。朝は激しい雨が降っていて30キロものスーツケースをごろごろ転がしながら、電車を乗り継いで成田まで行った時にはどっと疲れていた。出発前に一言話せるかな、とも思ったが。1日から東京で働きはじめ、慣れないことも多くてストレスフルになっているときに、俺からうじうじ言われたりしたらそりゃ「もう無理やわ」とも言いたくなるか。ふう。などと思いつつ飛行機で爆睡。計12時間くらいのフライトで本は全然読まず、ぼーっとしたり機内で映画を見たりしていた。留学先に着くと、待ち合わせ通り大学から案内役のbuddyの学生と合流し、WG(ドミトリー)へ向かう。雪、雪、雪。雪が積もっているではないか。フランクフルトより東にある小さな街なのだが、こんなに寒いとは。びびびびびる。WGは4人の共同生活。一人部屋は綺麗で広い。キッチン、バス・トイレは共有。着いたのが20時くらいで、何かを買おうかとあたりをウロウロしてみたが、土地勘も皆無なのでどこにも行き当たらず。コンビニがない世界へようこそ、というかこれがグローバルスタンダードですか。
4
朝、大学のオリエンテーション。buddyとともに学籍登録、銀行口座開設、市民登録などを終えてしまえば、疲れ果ててしまう。けれど、一緒に来ているsくんがせっかく誕生日なんだから、と誘ってくれてMarktにある地ビール醸造所に併設されたレストランへ。ビールとアイスバイン、ピザをたらふく食べる。愚痴を聞いてもらったり、sくんの話を聞いたり楽しい晩餐になった。謝謝。buddyとはドイツ語と英語のちゃんぽんで話しているのだが、ドイツ語を喋ろうとしてもまだ「外国語＝英語」という脳内変換が優位らしくて、なかなかドイツ語の単語が出てこない。悔しい。buddyは大学四年生の女の子で、なかなかしっかりしていて話も面白い。一輪車が趣味らしくて、日本は一輪車の競技レベルが世界一なのだと教えてくれた。小学校で一輪車に乗れなかったやや嫌な記憶が蘇りもしたが。WGの同居人の中には日本人の大学生の男の子もいて、今日は一緒にいろいろな手続を済ませた。四年生になるのだけれど一年留学して、それから就活、卒業という段取りらしい。新卒採用重視の日本も、こういう大学生が増えてくれば、ちょっとは変わる流れになりそうなのに、昨今の不況はうんぬんかんぬん。
5
午前中は諸手続き。wifiが使えるカフェを教えてもらいネットをしたりする。Stadtrallyeが午後に催されていたが、一回部屋に帰ってしまったらまたMarktに行くのが億劫でやめてしまう。スーパーで買ってきた食材を使って、カルボナーラを作る。おや、日本にいた時もよくカルボナーラを食べていたぞ。こちらはやはり旧東ドイツ圏ということもあって食材は安い。ビールは500ミリリットルが1ユーロを切る値段。野菜なども当然安い。嬉しいのは洗ってある生野菜のパックが大量に入って1ユーロというところ。チーズも安い。ソーセージも安い。日本だとシャウエッセンとかなんとか書いて量も少ないわりに一パック500円近くするが、こちらは同じ量で2ユーロ。半額。食べ過ぎないようにしないと。
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土曜日。安息日。Marktへ出てwifiを探してカフェなどをさまよい歩く。相変わらず曇り空ぷらす糞ほど寒い。カフェに入る。コーヒーは一杯1ユーロ弱。マクドナルドは安いメニューもあるけれど、総じて高価である。大学付近のカフェには無料でワイファイを使えるところがあり、メールチェックなど。相方にメッセージを送るも、やはり返事はない。日本でやっておくべきことを失敗していたことに気づき、うんざり。途端に歩きまわった疲れを感じて憂鬱になる。ワインを買い、部屋に戻って、ソーセージをつまみにしながらyoutubeを見る。さんまさんを見て爆笑したり、眠たくなって横になりつつ、ipadで『死者の書』を読んだり。ゆったりと過ごす。気づいたら眠っている。
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日曜日。窓から降り注ぐ日光で目覚める。ここにきて初めての晴れ。やっと春がくるのか。そういえば昨日見た大衆紙の一面は"Frühling kommt!"みたいな見出しとともに天気図がでかでかと書いてあった。嬉しくなって、ドイツ語の勉強に励む。のあと庭においてあるベンチに座って読書。読書。昼ごはんは、持ってきたインスタントのそばを食べた。のあとsくんとあたりを散歩。この辺りは緯度が高くて8時くらいまで明るい。日曜日は基本的にすべての店は閉じてしまう。スーパーマーケットも同様。散歩の後、またスパゲティを茹でる。今度はボロネーゼ。ワインとともに食しながら、ブログを久々に書いている。日本は、もう、月曜日だな。また新しい一週間が始まって、ちょっと息つく暇もないかもしれない。できるだけ心に平安がありますように。