12-10

7
夜、うちこない?とのことで、行く。駅前の庄やでしょうもないものなどを食べながら、ビール。お疲れの様子。呼ばれると嬉しい。
8
昼過ぎに起き出して、急いで江ノ島へ。とにかくどこかへ、ということで小田急に乗って、箱根か江ノ島かということにしたのだが、近さ的に江ノ島に行く。夕方の江ノ島。絶好の天気だったので観光客が多い。小田急に乗っていると、おそらくパラノイアなのだろうか中年の夫婦が奇妙な格好をして乗っていて、周りの笑っている(もちろんその夫婦を笑っているわけではないのだが)人らに関西弁で怒鳴り散らすという、恐ろしい事態に遭遇した。もうあたり構わず笑っている人らに「何笑っとるんじゃぼけ、いてこますぞ」などと怒声を発していて、相当なエネルギーなんだろうと考える。のあと、江ノ電にのって長谷寺へ。途中オセロをする。長谷寺は初めてだったのだが、紅葉はまだぎりぎり残っていてライトアップされたそれらが美しかった。人もそこまで混んでいなくて良い。寒い。のあと鎌倉へ行き、こちらも夜の鶴ヶ岡八幡宮。立派。小京都感が満載の街だった。エクセルシオールでお茶。僕の研究の話をしたり。聞いてくれて嬉しかった。帰ってきて鍋。のあと何気なく流していた『イングロリアス・バスターズ』に見入る。hの解説付きで楽しい。安らかに眠る。
9
昼前に起きて新宿へ。hは東急ハンズのあと映画を、僕はその間ビックロへ行きタコ足コンセントを買ったり、エクセルシオールで勉強をしたり。日曜の新宿は、というかビックロは腐るほど人がいて吐き気がした。もう一生新宿には行きたくない。映画の後、靴を買うというので付き合い、僕も革靴を買う。お好み焼きを食べる。食べながら、映画や音楽、文学の批評の話になる。批評はなぜ必要かということなどについて。小田急の中でも話していたのだがやや白熱して声を大きく出してしまった。反省。
10
朝、下北のケンタッキーで読書。のあと駒場の保健所で喉の薬をもらう。初めて駒場キッチン南海で昼を食べる。まあまあ安くてそこそこ美味しいけど、喫煙できないので悲しい。夜はドイツでのセミナーのレポートをやっと書き上げる。今年度すべき(書くべき)ことは終わり。
11
歯医者に行くつもりが寝過ごす。しゃーないのでモスで勉強。晩御飯は青椒肉絲。中華の中でこれが一番好き。夜は『スプリング・ブレイカーズ』を見た。表層的、あまりに表層的な映画(褒めてます)。学生たちのビーチパーティー、ポップソングと盛り上がる要素は多いはずなのに、スローモーションと度重なる反復、フロリダの美しすぎる(美しすぎて人工的な)海と夕陽も相まって、全体的に切ない鬱屈観がある。4人いたスプリング・ブレイカーズも最後は2人になって(その2人はまるでサイボーグのようだ、しかも美しい)しまうが、このことがむしろ春休み(spring break)を安易にイニシエーションだとかんがえることを妨げる。実際、この映画の空虚さ、意味の無さ(表層しかないということだが)は際立っていて、表層を漂うノリノリのポップスがいっそう切ないのである。そして実質的に、その切なさは、子供が大人になる瞬間に垣間見せる切なさでも、例えばもう引き返せないような悪の道に進んでいくことの切なさでもなく、むしろ単に春休みがもうすぐ終わってしまうかもしれないというだけの切なさである(これらは一貫して褒めています)。ただ、見る前の期待値が高すぎたので、こんなもんか、という感じはあったけど。