紹介

最近読書日記も全然書いておりませんが、ご恵投していただいた本があります。みなさま有り難うございました。

人権への権利 人権、民主主義そして国際政治

人権への権利 人権、民主主義そして国際政治

こちらは、
Recht auf Menschenrechte: Menschenrechte, Demokratie und internationale Politik

Recht auf Menschenrechte: Menschenrechte, Demokratie und internationale Politik

  • 作者: Hauke Brunkhorst,Wolfgang R. Koehler,Matthias Lutz-Bachmann
  • 出版社/メーカー: Suhrkamp Verlag AG
  • 発売日: 1999/07/27
  • メディア: ペーパーバック
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の翻訳です。ハーバーマスやインゲボルク・マウスらドイツの哲学者による人権論集です。各章ごとに訳者解説が付されており、親切です。

人間の尊厳と人格の自律: 生命科学と民主主義的価値 (叢書・ウニベルシタス)

人間の尊厳と人格の自律: 生命科学と民主主義的価値 (叢書・ウニベルシタス)

こちらも人権関係ですが、人間の尊厳というテーマを扱ったものです。

社会科学と高貴ならざる未開人―18世紀ヨーロッパにおける四段階理論の出現

社会科学と高貴ならざる未開人―18世紀ヨーロッパにおける四段階理論の出現

スコットランド啓蒙(ヒュームとかスミス、ミラー)の歴史観に、「狩猟→牧畜→農業→商業」という人類の発展の四段階理論がありますが、本書はその起源と発展を思想史的に明らかにするものです。マルクス唯物史観にも通底するこの発想は、いまなお我々の通俗的歴史観を支えているといってもよいものです。興味が尽きません。今や古典的研究となったものの待望の翻訳です。

戦争と平和の権利―政治思想と国際秩序:グロティウスからカントまで

戦争と平和の権利―政治思想と国際秩序:グロティウスからカントまで

こちらは戦争と平和の権利をグロティウスからカントにいたるまで、思想史的に通覧するものです。タックはジョン・ロック研究者としても有名な人ですが、本書の元になったのは91年にオックスフォード大学で行われた講義です。講義をベースにしたということもあり、英語版もリーダブルです。集団的自衛権や九条の意味が問われている昨今、思想史にもぐって問題系を考えなおしてみたいところです。

こちらは、「カント研究会」という学会が刊行する年報です。今回は現代哲学とカントということで、興味深い論文がたくさんあります。

1. 加藤泰史「カントと価値の問題」
2. 蔵田伸雄「カント倫理学と動機内在主義――現代メタ倫理学から見たカンと倫理学
3. 近藤秀「自己意識の統一による超越論的論証――ストローソン、デイヴィットソンからカントへ」
4. 滝沢正之「カントにおける行為の自由と合理性」
5. 田原彰太郎「カント的行為者を文脈に位置づける――バーバラ・ハーマンの道徳的熟慮論を手がかりとして」
6. 船場保之「パトナムによるハーバーマス批判とカントの道徳論――道徳的規範に関する認知主義をめぐって」
7. 宮崎裕助「哲学、国家、検閲――カント『諸学部の争い』をめぐる権力と秘密の問題――」
8. 村井忠康「自己意識への二つのアプローチ――オックスフォード新カント主義からカントへ」
書評
八幡英幸「浜野喬士著『カント『判断力批判』研究――超感性的なもの、認識一般、根拠』」
浜野喬士「八幡英幸氏への応答」
湯浅正彦「城戸淳著『理性の深淵――カント超越論的弁証論の研究』」
城戸淳「湯浅正彦氏への応答」