夏休み読書マラソン4冊目 トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す トーマス・マン

なんかロッキンジャパンもありーの、バイトもしーので、八月はいってから本を読むことを忘れてたんやけど、今週は盆休みっつーことで読んでいきます。

トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫)

トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫)

トーマス・マンというドイツのノーベル賞作家。

精神と肉体・芸術と日常生活・その両者の間に揺れ動く個としての自分に焦点を当て、ショウペンハウアーからの影響を受けた厭世思想むき出しの芸術家の話。

「トニオ・クレーゲル」

「憂鬱で思索型で非社交的で内面世界に住むことを主とする」若き作家トニオは、少年時代に憧れた「明るく・小説など読みそうも無い・馬術に優れた・社交的な」友達と、ダンスホールで見かけた「冷血な美しさを持つ」少女を、偶然避暑地で見かけてしまう。しかし、自身が常に背負っている孤独や他者には理解されうることのない芸術性、内面性のせいで声をかけることが出来ずに終わってしまう。そして、やはり、孤立しながらも芸術を頼りに生きねばならないと自覚する。

 

ヴェニスに死す」

老作家アシェンバハは多大なる名声を手に入れた。芸術とは日夜の努力、規則正しく生きること、日々の鍛錬によるものであり、放蕩や放埓は芸術の敵であると信じる彼は、大作を書き終えた後、ふと、避暑地であるヴェニスに行くことにする。今までの人生の中での禁忌を犯したくなったのである。ヴェニスにつくと、アシェンバハは同じホテルに泊まっていた美少年タドゥツィオに眩惑される。そして、自らの葛藤の下に流行りつつあったコレラで死んでしまうのであった。
 
どちらの作品もドイツ的で内面世界と、実世界の狭間で葛藤する二人の主人公が描かれている。ショーペンハウエル直伝とも思えるようなペシミズムが冴え渡り、文章に隙が無い。基本的に、二人の主人公はダメなんですけどね、一般的に笑 アシェンバハは若干変態はいってるし、ねぇ。トーマスマン初期の作品でしたとさ。「魔の山」も相当有名なんやけどね。

228p

総計 1528p