夏休み読書マラソン5冊目 悲しみよ こんにちは フランソワーズ・サガン


悲しみよ さようなら 

悲しみよ こんにちは

天井の筋の中にもお前は刻み込まれている

私の愛する目の中にもお前は刻み込まれている

お前は惨めさとはどこか違う

なぜなら いちばん 貧しい唇さえも

微笑みの中に お前をあらわす

悲しみよ こんにちは

欲情をそそる肉体同士の愛

愛の強さ

体のない怪物のように

誘惑が湧き上がる

希望に裏切られた顔

悲しみ 美しい顔よ 

(エリュアール「直接の生命」)

悲しみよ こんにちは (新潮文庫)

悲しみよ こんにちは (新潮文庫)

若く美貌の女とのアヴァンチュールを追い求める父と、娘。思春期の残酷さと、恋愛に対する憧れ、放蕩。ひと夏の避暑地に唐突に現れた、亡き母の友人。その完成された美貌と、規律正しい性格。それらに反発しながらも、残酷にも死へと追い込み、そして、なくなったものへの悲しみ。太陽の照りつけるベッドルームの白いシーツ、美しい南仏の海岸。愛情とは、そして、放蕩とは。それらの間で繊細で微妙に揺れ動く19の少女の心理をフランスっぽく書いてます。ってフランス人やもんな、そりゃそうや笑 

左岸って人は、失礼、サガンって人は19の時にこの小説書いて、文壇デビューで、そんでもって、これが世界中で大ベストセラーになったという。

 

この小説の中に出てくる「恋愛とは、ある人の不在を強く感じることである」はすごく良いですよね。やれやれ。

 

164p

総計1694p

 

今日の回文:コサイン伊沙子