07読書日記58冊 「青い麦」コレット


青い麦 (集英社文庫)

青い麦 (集英社文庫)


光の溢れるブルターニュの海辺。思春期を迎えたフィリップは、幼馴染の少女ヴァンカとの将来を描くのに必死であった。捕まえたと思えば、すぐに消えてしまう思春期特有の感情のゆれが、ブルターニュの美しい自然のきらめきと相まって、輝かしい。揺れる気持ちは、性への目覚めをもたらす。中年の魔性の女ダルレイ夫人に、性の手ほどきを受け、ヴァンカの青い体を忘れて、一時の快楽を欲するようになる。”あれ”が与えてくれるのは一時の快楽と、少しの苦痛。


そーんなかんじ。女性作家の感覚的な表現の美しさには、目を見張るものがありますが、この人の少年の心理描写にはあんまり着いていけなかった。ヨーロッパは田舎地方の美しい自然を背景にした小説が多いね。サガン然り、モーパッサン然り、ヘッセ然り。


249p

総計16653p