07読書日記68冊目 「戦後の思想空間」大澤真幸


戦後の思想空間 (ちくま新書)

戦後の思想空間 (ちくま新書)


金曜3限にこの人の授業を受けてるわけですが、マクロ・ミクロ的視点を交差させて、思想史上を分析していく議論はとてもスリリングで面白い。


現在は「戦後・後」ではあるが、それは同時に「戦前」をも意味しており、オウムのテロリズムや、ナショナリズムの勃興は、それぞれ第一次大戦後の2・26事件、北一輝国粋主義といったところの連関が見られる、というのが、本書の大筋。


加藤典洋敗戦後論」と合わせて読むべき。資本主義についての興味深い考察(普遍性を希求して特殊性に組み込まれていく<自己矛盾>的発展)なども刺激的。


大澤先生の思想の入門としてはうってつけだとおもう。京大にせっかくいらっしゃるんやから、受けてみたらいいんちゃう?


あぁ・・・彼の議論を要約する力がないのが切ない。(もともと、そんなもの無理か笑)


251p

総計18960p