07読書日記74冊目 「フィツジェラルド短編集」フィツジェラルド
- 作者: F.S.フィツジェラルド,野崎孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1990/08/28
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
いいですねー。ギャツビーがいっぱい笑
厳密にはギャツビーとは違うんやけど、基本的にアメリカン・ドリームの破滅と昔愛した女への恋慕、そして余りある金、の三つくらいが必ず絡んできます笑
短編の幅が狭すぎるやろ!っていう笑
けど、ところがどっこい、全部読ませるんですよね。同じようなパターンやけど、どれも良いねんな。すごい。大衆小説っちゃあ大衆小説ではあるねんけど、なんていうか斜陽の描き方が「冷めたセンチメンタル」でぐっとくるんです。この「冷めたセンチメンタル」って言う言い方、ぴったりやわ。ハードボイルドに澄ましてるかと思いきや、心情の爆発が「冷めた風に」おこる。緊張した文体の中で、感情の脆さが際立ってるんよな。
これは、何回でも読み直せそう。最高の!とは言わんけど、心を満たしてくれる小説集であることには間違いが
ない。
「泣いてはいけない」どこからかそういう声が聞こえた。「それ以上泣いてはいけない。涙が凍ってしまう。ここではどんな涙だってみんな凍りついてしまうんだから!」 --「氷の宮殿」
291p
総計20711p