07読書日記74冊目 「フィツジェラルド短編集」フィツジェラルド


フィツジェラルド短編集 (新潮文庫)

フィツジェラルド短編集 (新潮文庫)


いいですねー。ギャツビーがいっぱい笑


厳密にはギャツビーとは違うんやけど、基本的にアメリカン・ドリームの破滅と昔愛した女への恋慕、そして余りある金、の三つくらいが必ず絡んできます笑


短編の幅が狭すぎるやろ!っていう笑 


けど、ところがどっこい、全部読ませるんですよね。同じようなパターンやけど、どれも良いねんな。すごい。大衆小説っちゃあ大衆小説ではあるねんけど、なんていうか斜陽の描き方が「冷めたセンチメンタル」でぐっとくるんです。この「冷めたセンチメンタル」って言う言い方、ぴったりやわ。ハードボイルドに澄ましてるかと思いきや、心情の爆発が「冷めた風に」おこる。緊張した文体の中で、感情の脆さが際立ってるんよな。


これは、何回でも読み直せそう。最高の!とは言わんけど、心を満たしてくれる小説集であることには間違いが

ない。


「泣いてはいけない」どこからかそういう声が聞こえた。「それ以上泣いてはいけない。涙が凍ってしまう。ここではどんな涙だってみんな凍りついてしまうんだから!」  --「氷の宮殿」


291p

総計20711p