08読書日記1冊目 「なぜ人を殺してはいけないのか」小浜逸郎



まぁ、現代の諸問題を考える入り口としては十分なんじゃないかと思います。生きる意味などない、という観点は僕も全く一緒で、いかに生きるか、これを考えていくことが大切なんだということでした。


結局、小浜さんが言いたかったのは、人間というのは間柄の中でしか生きられないものであり、他者を通してのみアイデンティティの確立する動物だということでしょう。他者の中にも、視野の外にいる他者と、無条件の情感が湧き上がるような他者がいるわけで、それらと自分の行き方をいかにすり合わせていけるか、ということが問題点のようです。


それに伴って、自分を含め、また自分を関係付けている他社が存在する公共性に違反するような行動は社会規範として避けられるべきだと倫理的に定められているということも、諸問題を考えるにつれて再確認せねばならないことです。


結局のところ、なぜ人を殺してはいけないのか、というある意味では愚問であるこの問いに襟を正して答えるならば、人を殺すことを認めれば、公共が多大なる迷惑を被るからだ、ということになりそうです。違ったかな?


なにせ様々なトピックがさっさと片付けられていくので、納得いかないところも多々ありました。もう少し詳しく部分的に取り扱った本を読んでも良さそうです。


235p