08読書日記22冊目 「シッダールタ」ヘッセ (訳:高橋健二)
- 作者: ヘッセ,高橋健二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1959/05/04
- メディア: 文庫
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彼は宗教的体験、没我一如の境地、時間の偏在を文学的追体験の効果をねらって、この本を書いたのだろう。シッダールタの言うように、知識は授ける事ができても、知恵は授ける事ができず、自らが体験するしかないのである。その意味で、僕は読んでいて、ヘッセが至ったであろう境地になど到底たどり着けなかった。そのような境地があることを”知った”だけである。
「知識をむさぼるものよ、意見の密林に対し、ことばのための争いに対し、みずからを戒めよ。」
「おん身は賢く語ることを心得ている、友よ。あまりに大きい賢明さを戒めよ!」
「知識は伝えることができるが、知恵は伝えることができない。知恵を見出すことはできる。知恵を生きることはできる。知恵に支えられることはできる。知恵で奇跡を行うことはできる。が、知恵を語り教えることはできない。」
164p
総計5667p