08読書日記40冊 「ルポ 貧困大国アメリカ」堤未果

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

最後のとってつけたような憲法九条の希求には驚かされた。

岩波はそういうことをしているから、教条的だと言われるのではないか。それはさておき、この本は読んだ者の目から鱗を落とすことには違いがない。貧困による肥満、人災と課する天災、病気からの貧困、教育から軍へのシステム、戦争の民営化、資本主義をますます拡大していくアメリカにおいて、このようなひずみが出てきていることは、POSSIBLE AMERICAとしての日本が見据えねばならないことであろう。

最後に登場する日本人で「派遣社員」として戦場へ行った若者の言葉が動揺させる。
格差社会の下層部で苦しんでいた多くの兵士たちにとって、この戦争はイデオロギーではなく、単に生きのびるための手段にすぎなかった」

207p
総計10310p