08読書日記57冊目 「文明論之概略」福沢諭吉

文明論之概略 (岩波文庫)

文明論之概略 (岩波文庫)

これと丸山真男『「文明論之概略」を読む』をゼミで読んだよー

惑溺、敢為の精神、議論の本位、智徳の概念など、様々にキャッチーなフレーズがあって、本当に言葉を道具として使うってこういうことなんですよね。それにしても、開闢以来の激動期をものすごいバイタリティーで生き抜いた彼は、想像を絶するやろな。ギゾーとかバックルとかミルからの引用も多いけど、それをあの時代、英語文化がまだそんなに盛んでないときにやってまうんやから、現代に生きるおれはどんなけ英語あかんねんて思うわ。

文章の調子も皮肉冷笑ルサンチマン抑制、と単純な読み物としても痛快。こういう偉大な思想書は文学的価値すら持ちうるからな。マルクスしかりです。今の俺の問題意識とはちょっと離れてて、まあけど<他者>の受容の一変奏と思えんこともないか。うーむ。

391p
総計15571p