08読書日記58冊目 『「文明論之概略」を読む』丸山真男
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何や、もっと丸山真男バリバリに出てくるんかと思いきや(まあ確かに出てくるとこもあったけど)基本的には福沢に寄り添ってるかんじかな。アルチュセールばりのオリジナルなもんを混ぜ込んでくるんかと思いましたが。その点ではちょっと期待はずれ。ゼミでの議論は割りにテクストから離れて、現代の諸問題なんかも取り上げてたから、面白くはありました。最後の最後、相対主義とナショナリズム、あるいは福沢の言葉を借りて博愛と報国心の二元対立による緊張は、西欧列強による帝国主義以来解決されない問題やね。この主権国家という概念を、もっと深く考えるべきで、まあみんな思想家はそれなりにやってるんやけど、やっぱりどう考えても社会主義の失敗が痛いわな。ネグリ「帝国」なんかも読みたいこの頃。
上272p
中296p
下335p
総計16474p