08読書日記93冊目 「動物化するポストモダン」東浩紀

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

オタク(サブカルチャー)における文化構造を研究することで、敷衍的にポストモダンを位置づけている。

よく考えれば、サブ構造から上部構造を規定しようとする試みは唯物論的とも言えるのではないか?

データベース型社会における「大きな物語」の消滅=動物化し、象徴界シミュラークルを乖離したまま行き来する消費者、という構造は、構造批評として面白いが、その域を出るものではない。

「人間」を描いていない点で、本書は面白みにかけると同時に、それはポストモダンにおける批評のあり方を徹底したものだといえなくもない。

193p
総計27349p