09読書日記7冊目 『統治論』ロック

統治論 (中公クラシックス)

統治論 (中公クラシックス)

ゼミで読んでいる本。自然法思想パラダイムを切り開き、リバタリアニズムへと究極的には連なっていく始原の古典である。

(自己)所有権をめぐる、ロックの自然法解釈は現代からすれば、半分納得でき、半分不可解でもある。神の意思としての自然法を読み解くための理性を与えられている人間が、自然状態ではその所有権を確保しづらいために、合意によって統治状態に移行し、自然権と処罰権を統治政府へと信託する、というのが彼の社会契約の内容である。抵抗権を認めたところに、画期性があるというのが通説である。

しかし、日本の中学・高校の教育は自然法パラダイムについてはよく教えるが、共和主義的パラダイムについては全く触れられないというのは興味深い事でもある。

288p
総計1853p