09読書日記46冊目 『私が夢見た「優」』あんどう蒼
- 作者: あんどう蒼
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自分が好きだった人を、人が好きではなくなるとき、そのときは、自分が好きだった人が嫌いな人になってしまうのではなくて、「どうでもよくなる」ときだと思う。そのときがくるまで、好きな人は自分の過去であるし、自分の未来である。その人なしでは考えられない時間の連鎖が、ぱったりと断ち切られるなんていうことはない。その鎖は長く時間をかけて錆びて朽ちていくだけでしかない。
僕はこの主人公に哀れみも同情もしない。ただ、強さを感じて、うなだれてしまう。僕はどうしても好きだった人を好きだった時間を、偽りの言葉で、「アノトキノオレハドウニカシテイタ」というような虚偽のレトリックで、自分を何とか正当化しようとするタイプの人間だから。
250p
総計14571p