09読書日記54冊目 『可笑しい愛』ミラン・クンデラ

可笑しい愛 (集英社文庫)

可笑しい愛 (集英社文庫)

クンデラの短編集。抒情的な愛/遊戯的な愛という対比はクンデラの小説群のモティーフであるが、それがいかんなく発揮された短編集。クンデラは短編になれば、非常に色濃いユーモアと悲劇のコントラストが特徴的である。彼の小説にはアフォリズムと哲学としての実存がつき物だが、それは僕にとって読んでいて至福のひと時をなすものなのだ。


――きみの乳房は神のように遍在している! (『シンポジウム』)


361p
総計18203p