京都音楽博覧会

くるり主催のロック・フェス、「京都音楽博覧会」に行って来ました。京都駅の近く梅小路公園で催されていて、あいにくの曇り空でしたが、矢野顕子のhold力(!)で何とか持ちこたえました。夕方になれば涼しい風も吹いてきて野外フェスならではの風情がありました。機関車博物館なるものも公園にはあって、ときおりアーティストがMCしている最中なんかに「フォー!」という汽笛の音が鳴っているのもまた一興。

僕がちゃんと見たのは、Ben Kweller矢野顕子奥田民生石川さゆりくるり石川さゆりに驚きましたが、なかなかそれなりによかった。僕は津軽海峡冬景色の方が、天城越えよりすっきゃなー。なんというか、この日最大にロックショーやったのは、そして最大に観客サービスしていたのは、石川さゆりでした。ソーラン節は盛り上がったもの。

Kwellerは陽気なカントリーロックで思っていたとおり。ちゃんとバンド編成でやってるのを聞きたかったかな。民生はいつもどおり。くるりは新しいアルバムからばかりでした。くるりは昔のオルタナっぽいカオスのが好きかな。

そして、僕の最大の愉しみ矢野顕子。野外でピアノ弾き語りする矢野顕子は、僕のツレ曰く「恐ろしい」ものでありましたが、それでも今回の矢野さんの完成度はすごかった。再発見したのですが、彼女の左手が奏でるベースラインというのは、かなり際立っていて、グルーヴ感といい、疾走感といい、すごいものがあります。もちろんリフのセンスとか手癖とかそういうのもいいのですけど。声の調子も抜群で、僕は何度も鳥肌が立ちました。セットリストは覚えてるかぎりChildren in the summer、Evacuation plan、Baby, I love you、さようなら、ごはんができたよ、Rose Garden、ひとつだけ。「Baby I love you」はもちろんくるりのカヴァーでしたが、これはね、もう完全にくるりバージョンを脱構築したものだといえましたね。Baby, I love youというサビは、絶望感、悲壮感さえ漂っていて、梅小路公園を凍りつかせていました。しかし、人を愛してしまっているということへ、彼女が向かう真摯さというものは、もちろん彼女の愛聴者からすれば、当然感得されえたわけですが。

ツレがタイ帰りということもあって、お疲れ気味やったけど、付き合ってもらって楽しかったぜ。「ツレがタイ帰り」ておもろいな。ねむてー