9-25
朝からウォッカをロックで飲んで、自棄酒気味に寝ました。矢野顕子ばっかり聞いています。昼に起きて、シャワーを浴びると、なんだか分からないがスピッツの「君が思い出になる前に」を口ずさんでいて、そのときはじめて少しだけ泣きました。思い出にすがってばかりです。僕は誰を愛していたのでしょう。僕は僕を愛していたのでしょうか。そうではないと思います。僕は、昨日電話している間、ああもう僕はこいつの声を聞くことも、こいつの話を聞くこともないのだ。僕の話をもう、この人は聞くことはない、と思って愕然としました。出会いの歓びよりも、別れの悲しみの方が遥かに大きい。それはきっと良い出会いであったことの証左なのかもしれないけれど、今のところそのように客観的に分析などはできません。もっと声を聞きたかった。もっと話しをして欲しかった。ベッドに寝転がって、朝まで長い話しをしていた、そのような日々がいとおしく、本当に宝物のようによみがえってきます。だけど、もう終わってしまいました。長い話は、もうおしまいにしたのでした。本当に、長い長い話でしたが、すごく素敵な物語でした。そう思うことにします。
バイトまでの間、友人とファラフェルガーデンで歓談。僕のつらいことを話さなかったけれど、誰か他の人といると気分がまぎれます。もう僕があの子の宇宙に存在することはまずないけれど、僕の宇宙にはずっといます。これが忘れられるなら、僕は幸せなのだろうけれど、それなら僕は不幸せでもいい。そんな未練たらたらでどないすんねんいうはなしですが。
こういうときに友達のコメントは優しいです。mixiだけじゃなくてこのブログにもコメントくれるとうれしいのになあ。まあコメントしづらいですよね、わかります。
ともあれ再び自分のペースを取り戻すのは、なかなか難しくて。ぼーっとしたまま音楽ばかり聴いています。なんだろう、この夏は、先生の件にせよ、このことにせよ、僕の転機になるのでしょう。やれやれ、ため息も出ます。人生の加速度と、転んだときの衝撃の大きさにおののきます。
サリンジャーの小説の一節を思い出して、僕には本当に眠気が来るのだろうか、と嘆いてみたりもしています。
「エズミ、いいかい、本当の眠気を覚える人間は、あらゆる機能が元のままに戻る可能性を、必ず持っているんだ」
加藤典洋『敗戦後論』を読み直しています。戦後の責任云々と言うよりなにより、なんだか本当に力をくれる本です。
- 作者: 加藤典洋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/12
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