09読書日記68冊目 『貧乏物語』河上肇

貧乏物語

貧乏物語

親戚のおじちゃんに是非読めと、半ば無理やりに読まされた。経済学の精緻な議論と言うよりは、道徳論という感じか。奢侈論は興味深いし、「貧乏線」の議論も今でも割りに妥当するもの? マルクスの話はあんまり出てこなかった。アダム=スミスの理解についても浅いと言わざるを得ないだろう。ベーシック・インカム論や、環境倫理とかと交えて読むと面白いと思う。社会主義(本書では国家主義と呼ばれているが)の現実性とかユートピア性をどう理解するのか、僕はまだよく分かっていない。ただ、道徳論、エッセイとして読むと、河上の巧みな表現に魅了されるかもしれない。

235p
総計22391p