09読書日記69冊目 『「公共性」論』稲葉振一郎
- 作者: 稲葉振一郎
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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本書の問題意識は(中盤あたりで漸く明確にされるのであり、そのことで本書は極めて雑駁な読みにくさを与えているのだが)、左翼的な市民社会論が求心力を失った大衆消費社会時代において、どのような公共性を提案すればよいか、あるいは果たして公共性は可能か、ていうか公共性っているの?ということである。現代において、人びとは「生活世界」が「システム」の攻撃を受けて抑圧の状況が立ち上がっているというような危機的認識をもはや持つことさえなく、自らが消費したいものを消費しつくす、と言う態度に出る。言い換えれば東浩紀が言う「動物化」の現象において、公共性をどう考えれば良いか、ということが本書の中心課題なのである。その状況とは、いわば「よき全体主義」とも呼べるものにほかならない。人々が全く幸せに暮らしていける全体主義社会があれば(その想定はおよそ不可能なものであるが)、それはどうして、なかなかに否定しにくいものになる。稲葉はそれを加害者の側、統治者の側から考察することでうまく回答している。しかし、僕はそこに何となく納得が行かないものを感じる。共和主義ならばどのように回答するのであろうか?それこそが研究するテーマではあるのだが。
404p
総計22795p
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すんごくちゃんと整理してる人が多いです。それだけ影響力と反響の大きい本なのですねえ。
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http://d.hatena.ne.jp/poppokobato/20080531
http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20081008
だが、わりに「難しい」とも言われる様子。
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080502/p2