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土曜日。京大にて大江健三郎講演会。「危機を乗り越える文化」というテーマであった。山口昌男とかテツオ・ナジタの話しをしてはった。学生の頃、私淑していたという深瀬基寛の最終講義を聞きに京大まで着たが、結局聴講することは叶わなかったという話とか。17日に新刊『水死』が出るのがものすごく楽しみ。にしても『水死』てすごいタイトルなのだ。
そのあと、MOVIXで『イングロリアス・バスターズ』。二時間半があっという間の面白さである。R-15だけあってそこそこの暴力シーンも出てくるのだが、あのバットを振り回す「ユダヤの熊」のところとか、映写室での打ち合いのシーンとかは、痛みが伝わってくるが、それほど残酷でもなく、ほどよい加減だと思った。台詞回しも劇中パロディが多用されていて、見ている間は何度も映画の中なのに既視観を覚えた。きっと色んな映画のオマージュになっているのであろうが映画に詳しくない僕は、それに気付くことはできなかったが、なんしか小難しいことは言わず(ガタガタぬかしてんと)じっくりスクリーンに食い入ればそれで万事OKな映画である。にしても、ブラピのあの人を食ったような喋り方はなんだったのだろう。変なの。今年はイーストウッドチェンジリング』『グラン・トリノ』といい、なかなかにハリウッドが頑張った年であった。断然『スラムドッグ・ミリオネア』なんかより、これらはハリウッドだと思う。

日曜日。昼まで寝過ごし気味に寝て、みやこ音楽祭。@KBSホール。友人も二時間遅刻したので、今出川のカフェで昼ごはんをゆっくり食べる。画廊と一緒になったようなカフェで、光の具合も心地よく、久しぶりに新聞を熟読しながら大阪から遅れてくる友達を待っていたのであった。京都はどうにでも時間がつぶせる素晴らしい街だと思う。
さて、みやこ音楽祭はといえば、あいかわらず学生のフェスという感じで、最高であった。rei harakamiから聞き始め、Limited Express (has gone?)あらかじめ決められた恋人たちへ、と中々アングラな音楽が続く。rei harakamiはあい変らず何をやっているのかよく分からなかったが、アンビエント?ミニマル?な音楽空間は居心地が良い。Limited Expressのベースボーカルの女の子の歌い方は、どことなくポリシックスを髣髴とさせもした。激しくタイトであったのに、単調だったからか、たちながら眠ってしまう。「あら恋」にしても、カッコいいとはいえ、友人と「俺らはやっぱ歌ものが良いよなー。キャッチーなのに惹かれるよな」などと言いつつ、DJブースで適当な時間を過ごしたり。
そしてお目当てのフジファブリック。さすがにホールの中は熱気むんむんで、5曲しかやらなかったものの(もっとやっても良いのに!)跳ねまくりで楽しめた。KBSホールのキャパといえば、難波HATCHの最前列ブロックぐらいしかなく、客の詰まり具合も全然で、学生の祭りとはいえ、おしゃれロックな学生たちにしか伝わっていないのであろう、ノンケの学生はこのイベントの存在さえしらんのではないかと思えたのであったが。
大トリはくるり。新しいアルバムからの曲大目。『京都の大学生』はやっぱり京都できかなね。最新曲のセトリの中で、やっぱり『東京』とか『ばらの花』『How to go』は聞かせる。『アンテナ』とか、あの初期のアルバムの青臭さ&刺々しさ最高やもんな。
終演後は寒さに震えながら、今出川白木屋。友人と帰し方行く末の話しをして、お別れした。とっても楽しい週末であった。卒論終わってよかった!