'10読書日記55冊目 『トランスクリティーク』柄谷行人

トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫)

トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫)

511p
総計16879p
やっと読んだ。読まなくては読まなくてはと思っていながら、なかなか手にとることができなかった。実際、カントからマルクスへと移動transしながら、二人の大思想家の"移動"を捉えていくこと、ないしは彼らの思想-仕事を批評-批判の下に考えること、これらから導き出される理論的成果は偉大だと思う。アソシエーションの実践まで含めた本書だが、やはり僕としては理論パート、思想パートが面白い。特にカントの『純理』を"移動"という点から読み進めていくところは非常に興奮した。
カントの読みとして、あるいはマルクスの読みとしての正統性などはどうでもいいことだ、これくらい面白くカント/マルクスを読めるなら。
ただ、少々冗長であること、カントからマルクスを読みマルクスからカントを読むと言いながら、後者はあまり貫徹できていないのではないか、というところが不満。