10'読書日記74冊目 『永遠平和のために/啓蒙とは何か』カント

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

387p
総計22659p
中山元による新訳。少なくとも岩波の篠田訳よりは数段読みやすい。中山さんはかなり勉強されている人なのだろう。解説もまとも(多少、彼の興味範囲であるアレント、カントに引き付けすぎるきらいはあるとはいえ)。カントの自然概念は面白い。というより、それはヘーゲル-マルクスと比べたときにより面白い。「啓蒙とは何か」も一つは彼の歴史哲学との兼ね合いで読まれるべきだろう。特にその最後の数段落はそうである。前に読んで面白くなかったものが面白く感じられるというのは、嬉しいものだ。