ゾチアール・ネッツヴェルク

映画の鑑賞メーターを今年から付けはじめました。http://video.akahoshitakuya.com/u/76561
で、昨日「ソーシャル・ネットワーク」を見に行ってきたので早速書こうとしたところ、字数オーバーで書ききれなかったのでこちらに。率直に言うと、そんなに良いかね? 確かに面白かったよ、でも、「こんなもんやな」くらいの映画じゃないかと思ったんだよねー。ネットでは褒めてる人ばっかりなのですが、そんなにかね。いや、面白いしよく作られてるな、とは思うんやけど。

50点。音楽はよかったし、筋もテンポがあって小気味よい。ザッカーバーグはthe socialを求めて、そこから結局疎外される。しかし、それが彼にとって不幸かといえば、それは曖昧だ。不幸とも言えるし、不幸に思っていないところもある。微妙な描き方は好感を持てる。
ただ、その良い意味での曖昧さは、視点人物が複数いるということで、映画を漠然としたものに変えてしまった。ストーリーはスピーディであるのに、スリリングさを欠いているのだ。facebookの成功物語としても、ザッカーバーグあるいはサベリンの葛藤物語としても、中途半端だ。
なにより、この映画のタイトルである、social networkの"social"な部分がアメーバ的に広がっていく様子は全く描かれない。それを描いていたのは、「フェイスマッシュ」にハーバードの学生が熱狂するところだけではなかったか。それ以降は、facebookの企業内での"social"しかない。しかもそれは、ある種の"homo-social"なものでさえある。facebookユーザーが100万人を超すところなど、単に数字上の表現にとどまっている。実感がない。(ただ、その実感の希薄さがネット・メディアなのかもしれんけど)
とはいえ、しかし、こうした"social network"がsocialである所以を描かないのは、ザッカーバーグがそもそも社会的な大義に基づいて"social network"を立ち上げようとしなかったということに、焦点が当たっているからかも知れない。だとしたら皮肉だ。