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長い間日記を書いてなかった。書くことが見当たらなかったのではなく、何度も書こうと試みたのだけれど、書いた言葉が全部嘘みたいに思えて、書いては消してを繰り返していた。好不調の波が激しい。時々(というか大抵)波に飲み込まれてしまう。シャワーを立ったまま浴び続けて(滝に打たれる修行僧みたいに)じっと考え込む。春の陽気が差し込む節電中の電車の中で叫びたくなる。かと思うと、ガリガリ勉強していくモードの時もある。落ち着いて穏やかに生きていたいだけなのに、この糞脳味噌の俺は。
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Mさんが就活のために東京に。二時くらいに落ちあって、国立新美術館に再びシュルレアリスム展。休日なので人は多い。間をすり抜けるようにして見て回る。Mさんは抽象画が好きみたいで、ミロの「シエスタ」を気に入っていた。僕はやっぱりマグリットが良い。Mさんはヴィクトル・ブローネルというルーマニアの画家の作品"la formatrice"(調教師trainerとでも訳せばよいか)の顔に似ていると思う。

今回国立新美術館に行って発見したのだが、3階にはライブラリースペースがあって画集やら美術関係の本を沢山所蔵している。素晴らしい場所だ。のあと近くのイタリアンでご飯。接客はいまいち。バスまで時間があるので一旦うちに帰ることに。間違って青山一丁目で降りてしまい、そこから渋谷まで小一時間歩く。基本的にしょうもないことしか喋っていなかったのだけれど、それが楽しくてしょうもないことを言い続ける。しょうもないことを、しかも何の脈絡も言って受け入れてもらえるのって本当に幸せ。Mさんには誕生日プレゼントに消臭用のしっくいと、メッセージ付きのカンディンスキーのポストカードをもらう。しっくいはおしゃれで、センスあるプレゼント選べるのってすごいセンスある!(同語反復) 何か何の負債感もない関係性で、何の負債感も与えないようなさらっとしたプレゼントを贈りあえるのは稀有だけれど素晴らしいことだと思う。女子文化って割とそうなんじゃないのかしらとか思うけれど、どうだろう。Mさんが居る間に地震が起きなくてよかった。心がリフレッシュされた一日。
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ウイスキーの残る頭でぼんやりと音楽を聞いたり、Mさんとスカイプしたり。授業に行かなくてはと思って、学校へ。指導教官の講義だったが、非常に面白くて、何か来てよかった。家にいたら鬱々とするばかりだから。のあとAと学食でご飯。国一なんとか乗り切ってくれることを祈るばかり。Aが就職しちゃうとめっきり寂しくなるなあと一年後の今頃のことを考えてちょっとおセンチ。帰り道に家々の明かりが灯っていて、僕は家族といないのだと思った。