'11読書日記32冊目 『ふしぎなキリスト教』橋爪大三郎 大澤真幸

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

349p
総計9886p
大澤さんがツッコミ役になって橋爪さんがそれに答えるという対談形式で、キリスト教の不思議について考えていく。西洋の思想を根底で規定しているキリスト教について、分かった気になっているつもりが分かっていないことばかりなのだ。ウェーバーの言う脱魔術化、つまり神強制/神奉仕の後者によってユダヤキリスト教が成立しているということ、これを押さえることが何よりも肝要だろう。まさっちーはジジェクキリスト教論に影響されているところがあるが、本書は割とオーソドックスなキリスト教理解を提示してくれる。しかし、ツッコミがやっぱり面白いので、「そうそう、それはずっと不思議に思ってた!」とか言う疑問がぞろぞろ出てくるのだ。かなりの良書と言ってもいいと思う。