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梅雨入りしたらしい。駒場にいって資料を探し、歩いて渋谷へ。フレッシュネスで一時間ほど勉強した後、バイト。駒場から渋谷へ歩いている間、無性に肉の断片が思い出されて苦しかった。肉欲というのではないが、肉を思い出すということが時々ある。身体の細部を思い出し、そして思い出は常にすでに現在時によって捏造されたものなのだと考えなおし、では肉を想起する僕は何かと問う。
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バイト六時間。おそらく現役時代より古文ができるようになっている自分におののくが、古文の文法は知っていても源氏物語万葉集の世界はてんで知らない。英語を教えるほうがやっぱり楽しい。受験生を教えるのが楽しいのは、学校の教師がちゃんと教えないにもかかわらず重要な事柄を教えることが出来るからだ。例えばパラグラフリーディングとか、名詞構文・無生物主語の訳し方である。それらはテクニックではない。それすら教えられない英語教師ははっきり言って糞だ。そして往々にして学校の教師はそれを教えない。古文の話に戻れば、その世界観を僕自身があまり理解していないので教えていて辛い。せいぜい小手先の仏教観を伝えるだけである。もっと時間があれば「とりかえばや物語」なんかはちゃんと読んでみたいと思っていた。ジェンダー論的に重要だと思うのだが。古文・現代文を教えていて楽しいのは、記述の仕方を教える部分である。記述の仕方はあるメソッドがあって、それを教えないで「国語力」とかいう訳の分からない力を称揚するのは馬鹿丸出しだ。高三の生徒とバーリン「二つの自由概念」を読むことにした。丸山真男の「「である」ことと「する」こと」にしようかと思ったのだが、最期の精神主義うんぬんのあたりがどうもいけ好かなくてやめた。高二の子たちと今度大澤真幸「サッカーと資本主義」を読もうと思う。
台風が近付いているせいで日曜日に予定していた鹿児島行きを中止することにした。祖母がまた危うい状態になっているので会いに行きたいのだが、しかし。
ゲーム「MOTHER」の中心曲"Eight Melodies"が非常に素晴らしい。

take a melody
simple as can be
give it some words and sweet harmony
raise your voices all day long now love grows strong now
sing a melody of love oh love

love is the power
love is the glory
love is the beauty and the joy of spring
love is the magic
love is the story
love is the melody we all can sing