6-23

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夕方に下北沢でボルダリング初体験。連れていってもらった人は、結構経験があって色々教えてもらいながら。TVなどで見ていたら簡単そうに見えるのだが、筋力もないし運動も長いことしていないので、なかなか難しい。一時間半汗を流したところで、筋力の限界。しかし、壁に取り付けられた様々な意思を昇っていき、一番上にまでたどり着いたときには結構な爽快感がある。恋人同士で来ている人らもいて、女性でもかなり上手い人がいる。要は自分を支えるだけの筋肉があればいいのだが、体重がorz。そのあとは下北でちょっと飲んで帰宅。年上でもう働いている人と一緒に話していると、なかなか自分がしている思想研究のことを上手く話せない。向こうはリアリズムな感じがして、自分は単なる夢想家なのではないかという思いに付きまとわれる時がある。そんなことを思う必要はないのに。まだ自分の中で思想が固まっていないからなんだろうな。心地良い筋肉痛を覚えてすぐに眠る。
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来週の月曜日に発表があるので、そろそろ準備をし始める。夕方ゼミ。Aが国Ⅰに合格したとのこと、明後日から官庁訪問が始まるとのこと、吉報であるが大変な労力がいるだろうと思う。
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発表原稿煮詰まる。図書館の本を返しそこねる。ウィンブルドン。錦織がヒューイットと。あと少しのところだが、その少しが大きいものだ。
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蒸し暑い、を通り越して暑い。32℃とか。家で書物をしているだけでダラダラと汗が流れる。発表原稿の作り方に頭を悩ませる。ウィンブルドン、伊達さんとヴィーナス。ヴィーナスの服が奇抜で面白い。最初のセットで5-1までリードしたのにそこからタイブレークまでせってしまい、それが伊達さんの敗因かな。互角以上に戦っていただけに本人はさぞ悔しいだろう。感動した。エネルギーを貰う。
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寝苦しい夜が続く。初めて自分が死ぬ夢をみた。ある女と寝ていたのだが、そこに女の彼氏――どうやらヤクザまがいの――が乗り込んできて僕はピストルで撃たれてしまう。死ぬのだと意識した瞬間、身体は高校の校舎にあった。死ぬまでの猶予が与えられているのだ、もうすぐすれば自分の身体は消滅してしまうのだ、生きている人らとの別れを告げるために魂が仮初の身体を与えられたのだ、という明確な意識がある。僕は校舎の中をさまよい歩く。高校の時の友人も大学の知り合いも様々な人らがそこにはいて、僕がまだ生きていると思って話しかけてくれる。何度も「もういかなければいけないんだ」と言ってさまよい続ける僕を、友人らはきょとんとした顔で通りすぎていく。そのうちに、ふと気づく。何がなんでも最後に別れを言わなければならない人がいる、その人には長い間会ってはいないけれど、その人をひと目見て死ななければいけない、そのような切迫した感情がわきあがってくる。その時間がもうすぐ訪れることもはっきりと分かっていて、僕はそこらじゅうを走りまわってその人を探す。その人の名前を呼ぶ。途中で高校時代の仲の良かった友人――ああその人にも僕は5年近く会っていない――が一緒に探してくれる。二人で校舎を走りまわり、その人の名前を呼ぶが、誰に聞いても「どこかそのあたりにいるのじゃないか?」と言われるばかりで、その人は見つからない。そして、ついにその時間が訪れ、僕はその人の名前を呼びながら、身体が消滅し、自らの魂が無になっていくのを感じる――意識がシャットダウンし何も考えられない暗闇に墜ちていく。そこで目が覚める。その人の名前は覚えていない。雨雲が去った空は生ぬるい風を吹かせている。冷やしていた麦茶を飲み、書きかけの論文に向かう。