9-4

30
朝方、車で山梨へ向けて出発。久しぶりの家族旅行である。父と交代して運転しながら6時間ほどかけて、山梨へ辿りつく。甲府に着いて腹ごしらえ、と思いきや誰もほうとうを食べたいとは思わず駅前の百貨店(と銘打っているがそこらへんのイオンよりもしょぼそうなところ)に入っていたサイゼリアで軽食。甲府は県庁所在地なのだが全然栄えているようには見えず、とはいうものの、スタバやサイゼリア丸亀製麺(!)といった全国展開のチェーンは揃っている。のあと甲府から一時間かけて山を越えて富士五湖周辺へ。河口湖は、小学校の修学旅行で行ったことがあったが、記憶にはない。レンタサイクルで湖畔を半周ほどする。自転車をこいでいると汗ばむが、湖上を吹き抜ける風が爽やかでよろしい。父が先頭、そのあとを僕、母と続いて自転車をこぐ。富士山には最初、雲がかかっていたのだが、こいでいるうちに雲が晴れてきて最高の富士が望めた。sublimeとはこのことを言うのだと実感。石和温泉に宿泊。こちらもさびれていた。

31
台風の接近がおそろしい。なんとか嵐にならぬ前に富士の樹海へ。一時間くらいのツアーに申し込み、色々と教えてもらいながら回る。樹海の中は静かすぎるくらい静かで、溶岩石の上に生えているねじ曲がった木々らが不気味でもある。話によると、ツアーガイドさんらで声掛けをして昨年は45人の人の自殺を食い止めることができたのだそうだ。一ヶ月3-4人は自殺しようとしていることになる。樹海を出たあたりから雨が降り始める。とはいえせっかくなのだからと、富士山の五合目まで車で行こうとするが、あまりの霧に運転が危ぶまれ、四合目で引き返す。富士吉田市内を車でぶらぶら。のあと、勝沼へ。あたり一面のぶどう畑。その頃には天気も回復。たまたま入ったブドウ農家では、ワインも作っていて、それも見学させてもらう。おじいちゃんが面白く説明してくれ、試飲も。しかもこのワインは僕が今まで飲んだ度のワインよりも上出来でおいしい。あまりに飲みやすかったので母と僕が購入。いいおみやげ。
9-1
朝方ひどい雨が降ってきたので、父と母は早々に大阪へ帰る。僕はバイトがあるので東京へもどる。JRを使えば山梨-東京が二時間半くらい。案外近くて。のあとバイト。さすがに今日はつかれた。
2
存在忘却
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バイトののち夜は友達の家へ。短歌に凝っているらしい。
4
午前中に新宿。エクセルシオール漱石「それから」を読了。非常に感銘を受ける。生理的・神経的混乱。ショート。靴が欲しかったので物色。いったん家へ帰り、夕方渋谷へ。詩の朗読会に誘われたのだ。渋谷宇田川町にあるリエゾンカフェで。あのビルの四階にこんな素敵なカフェがという驚き。朗読イベントなんて参加するのは初めてだったのだけれど、谷川俊太郎「魂のいちばんおいしいところ」平川敏子「シグナル」と二つの詩の朗読から始まり、それだけでわくわくした。そのあとはピアノの弾き語りあり、シャンソンあり、jazzギターのインプロありでますます良い雰囲気に。ところが、このイベントのタイトルは「ラジオのように」なのだが、実は本編はここから。鈴木佐知さんという歌人の方が架空のラジオDJを演じ、前出のピアニストの方と息のあったコントを繰り広げたのだ。ユーモアと少しのイロニーが心地よく、音楽も上質なものが聞けて非常に大満足。紹介してもらった歌人の方も気さくでよかった。なんか、わたしゃ、とうきょうにきた、ってかんじがしただよ