6-2

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朝9時からのsjss学会(ちょっと院生にきつい時間なのでもう一時間遅らせて頂けませんでしょうか)。@keiyamamotoさんのラクラウについての発表を拝聴させていただく。内容はラクラウ/ムフの相違点から、ラクラウ/ハート・ネグリラクラウ/コノリーの差異まで、ポストモダン的なラディカルデモクラシーの整理を行ったもの。ご自身の立場を提示するというよりかは、問題点を整理された発表だったのだが啓発的で勉強させていただいた。"On Populist Reason"読まないと。ロールズの真理概念に関して「政治哲学者に何が可能か?」という挑発的な発表も一緒にあったのだが、そちらはうーむ。分科会終了後、ご挨拶をしにいくと「スパンキングされるかと思いました」とのお言葉をいただく。おそろしい。
のあと親と渋谷でご飯。大阪で個人塾を経営する両親に言わせれば、橋下知事の教育政策はしっちゃかめっちゃかであり、特に和泉高校校長はひどいとのこと。橋下がエリートを作ると言ったとして、第一に、エリートが育ったとしてもエリートであるのなら大阪にとどまらずに、東京ひいては海外へ出てしまうだろう。大阪に益するところはない。第二に、エリートと言ったところで既存の受験業界で勝ち抜くと言う程度の意味合いに過ぎない。何ら教育を変えるものではあるまい。両親によれば、和泉高校(現時点で関関同立に進学する数も少ない高校なのだが)は、生徒らを引き連れて早慶の見学に行くらしい。思えば、橋下も橋下の肝いりで好調になった男も早稲田出身であった。いろいろあほらしい。
某学会へのエントリーなどで色々不安になる。誰かに批判されることを恐れては何もできないし、批判されたくらいで(研究者としても)死ぬわけじゃないけど、死ぬほど不安になる時がある。自信持てるくらい勉強せえっちゅうこっちゃ。
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新宿でウッディ・アレンミッドナイト・イン・パリ』。パリに行きたくなる映画。2年前にパリに行ったときには、雨のパリに遭遇しなかったのだけれど、雨のパリ、素敵やなあ。映画は、アメリカ人から見たヨーロッパを二重写しで、つまりは1920年代文学者たちからとウッディ・アレン本人からとの視線を捉えている。タイムトラベルもので、フィッツジェラルドヘミングウェイガートルード・スタイン、またピカソマン・レイルイス・ブニュエルが登場する。欧米の文化の相互的な眼差しが横糸にあり、しかし同時に縦糸としてのタイムトラベル。実は複雑に作られている背景があるからこそ、割りと大雑把なプロットでもしっかり見せられるんじゃないかなあ。次回作はイタリアはローマということで、こちらも楽しみ。
映画を出ると、雨の新宿。月曜日なので人もそんなに多くはないが、肩をよせあって小さな折り畳み傘に入って急ぎ足で駅へ向かう社会人の恋人らの足取りが、美しかった。
夜。某さんから大変な電話をもらう。
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ちょっと色々びっくりすることが。健康診断。体重がちょっと減っている。血圧は正常。のあとバイト。
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ゲーテゲーテも今タームは終盤。来タームも申し込んでしまった。頑張る。ゲーテのあとは青山一丁目の駅にあるサブウェイでご飯にすることに決めている。野菜多めにできるのも嬉しいし、煙草吸えるのもいい。『ヒュームと文明社会』読み読み。色々思考を刺激される。生活保護の話題についても色々苛立たしいことが多い。
“お尻を叩くときにどうしていますか - 質問・相談ならMSN相談箱”に驚愕。
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バイト。英語の時間だったが、『プロ倫』についての講義。
英作文を毎回書かせて添削しているのだが、某君の英作文がここ半年で見る見る良くなっていくのがわかり嬉しい。相変わらず三単現s忘れて叱り飛ばすが、なかなかよろしい。硬い文章を書く、ということは大事なことだと思う。大学入試英作文の授業でしばしば「中学レベルの文法で書け」みたいなことが言われる時があるが、英語の世界で日本の中学生レベルの文法書くとしたら、それ向こうで言う小学生レベルの作文になるって言うことわかってるのかな。センターを含めた大学入試の英語長文にはそんなレベルの文章が書かれているか? 大学入試程度の英語のレベルなんて、英語の世界では高校生が書く程度のものだぞ。それくらい書けないで(あるいは書こうとしないで)いったい何を教えたつもりになっているのか。もちろん、受験で点を取ることは正しいが、受験生が自分で勉強していくさなかに、そんな幼稚な英語の文章だけ書いていれば良いと思うなら、何か根本的なところを勘違いしていると言わざるをえない。そもそも作文なんて、自分の手持ちの表現以上のものを書く努力・鍛錬をしなければ決して上達しないものなのに。
6-1
おうおう。6月だ。今年が半年終わってしもうた。バイト。今日は高3の国語。こちらも少々ヒートアップ。
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家で勉強。&懸案のほをずり執筆。

最近読んだ論文
小泉義之 (2009) 「人間の消失、動物の消失」『現代思想』(37)/8.
市野川容孝 (2009) 「動物の人間化、人間の動物化」同上所収.
的射場瑞樹 (2009) 「ただ、生きて在るために」同上所収.
宮崎祐助 (2009) 「脱構築はいかにして生政治を開始するか」同上所収.