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いっちーゼミで発表。先生とこの前ドイツで話したときの議論の続き。意図する所が分かっていただけたようで、嬉しい。sくんやゼミの人らも質問してくれて、議論ができたので楽しかった。カントプロパーではない人らに(といってもそんな人らがどこでもほとんどなのだが)カント用語を使わずに話したり、あるいは自分が思っている前提を共有していない人らに話たりすることは、単に自分の研究内容を伝えるということにおいて重要なだけじゃなくて、自分の研究をもう一度別の視点で見直すきっかけをくれる。これは、非常に重要な事で、あっさりテクニカルタームで書いちゃっているところなどの論理は結構実は曖昧だったりするのだが、それは他人にわからないと言われ、改めて分かりやすく話す努力を求められる時にしか(殆どの場合)露呈しないのだろう。のあと、sくんと喫茶店で珈琲。のあと渋谷で、ドイツの友人ヨハネスとその彼女ナディンとおちあい、japanische Kneipeで飲む。日本に帰ってきて一週間なのだが、すでにドイツ語を忘れてしまっていて、困惑続きだが、ふたりとも俺のたどたどしいドイツ語をちゃんと聞いてくれてありがたい。焼き鳥を食べた。
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昼過ぎ、ヨハネスとナディンを連れて浅草寺スカイツリーと観光。料理を(例えば餃子とか)ドイツ語で説明するなど、僕にはまだ無理です。浅草寺には満足してくれたようだったけど、スカイツリーの人の多さにはつかれた様子。ナディンはドイツ語の先生をしているらしく、僕にもゆっくり話してくれて、時にドイツ語を訂正してくれる。ヨハネスとはいい関係みたいで羨ましい。彼らはこれから上海に一週間いるらしい。良き旅を。
家に帰ったら、むっちゃ嬉しいお知らせが!!! ほんとうに有難いことである。しかも、sくんにもそのうれしいお知らせが届いていたようで、なおさら嬉しさ倍増。これからいっそうがんばるっきゃないぞ!というハッピーな気分。
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スーパーで焼きそばを再び。日清の焼きそばばっかり食べている。最高。夜、なぜか寝付けなくて、メールを送ってしまう。こやまんどりるにはちょっと後ろめたさがあるけれど。
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昼すぎ、吉祥寺というより西荻窪に近いところにある美味しいと評判のケーキ屋を目指して。久しぶりに新しい人と会うので緊張していたけれど、関西人で話の雰囲気はあう。要はボケとツッコミが成り立つということで、それは当然として、話の流れが淀まないというかスムーズにいく要件として、会話している中で、自然とボケとツッコミが入れ替わっていくのがいいのだが、そういう感じがあった。最初、吉祥寺駅から間違えて正反対の方向に進んでしまい、大回りになったのだが、歩く間も気詰まりなことはなかった、少なくとも僕は。友達になれるといいな。ケーキは美味しかったが、クソ高かった。のあと、これまた半年ぶりに某君と下北でご飯。ビレッジバンガードハンバーガー屋さん。早めに入ったからまだ空いていて、ビールを三杯くらい飲んだ。色々つらいことがあったから、会うときすごく緊張したのだけれど、そういうことがなかったかのように装って話していた。お互い会わないあいだ、話をしなかったあいだ、どうしていたか、本当に近況報告という感じで、さ。帰り際、つい家で映画でもと言ってしまった。下北のレンタルビデオ店で『アニマル・キングダム』を借りる。僕の駅についた時には、ちょっと雨が降っていた。2人で全く何事もなかった感じで、全く半年前と同じ道を歩く。その道のりには不穏とも穏当とも、あるいは感慨とも吐き気ともつかないような気配が、秋の雨のなかで沈み込んでいって、息苦しくさえあった。何かをお互い言い出せずにいる気詰まりな気配が、だけれどそれを押し殺して明るく会話する彼との間の、その距離は推し量れない。映画は、面白いところもあるけれど、前半の冗長さがアダになっている感じのもの。電気を消して、ベッドに入って、まだ眠れずにいるとき、彼がいくばくかの言葉をつぶやき、僕もそれにいくばくかのことを返した。どうなるか、誰にもわからない。もっと変わっていける。もっと違う関係になれる。
その他、論文仮アクセプトのお知らせが届いていてひゃっほーいとなる。が、修正コメントがなかなかシビア(というか2人の査読者の方の評価のうち、一つの方は無茶ぶりがすぎるのだが)で困ったさん。
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日曜、雨の。台風がまた来ているみたいだ。ゆっくりと起き出してきて、彼は東京国際映画祭へと。僕は書類を書いたりした。のあとtwitterでやりとりしていたカント研究をしている修士の方と下北でお茶。三時間ほど話しただろうか。しっかり勉強してらっしゃる方で、興味の方向が近いので話が弾んだ。もっと頑張るぞという気分になる。雨が降っている。それほど、嫌な雨ではない。