'14読書日記1 『雪の練習生』多和田葉子

雪の練習生 (新潮文庫)

雪の練習生 (新潮文庫)

某文芸同人誌のメンバーとの読書会で読んだ本。熊のふるまいはかわいらしいし、ロシアからベルリンに亡命(!)してきたホッキョクグマが天気の話題をみんなと共有できなくて悲しい(みんな寒いと言うけれど、私にしてみれば暑すぎる)といったエピソードも面白い。充実した読書、という感じをうける。が、哲学的な問いかけ(「わたし」とは何か、人間と動物の違いとは何か)がそこここにあって、それを面白いと思う人はきっと多いのだろうが、なにか僕には鼻についたと言うか、賢さがほの見えてちょっとと言う感じもした。